携帯用時計は懐中時計の時代が長く続きましたが、ポケットから出す手間が厭われ腕時計が開発されました。

腕時計が普及するまでの経緯

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腕にきらめく圧倒的な存在感、時計は時間を知るという機能性だけではなく、ステータスの表現、おしゃれなど様々に現在は活用されています。
そもそも腕時計とはいつ頃から利用されてきたのでしょうか。
まだ腕時計がなかった時代、携帯用の時計は主に懐中時計などと呼ばれるふた付きの時計表示板にチェーンがかかったものでした。
腕時計という形態で誕生したのは19世紀後半といわれています。
もともとは女性用のアクセサリーのような位置づけで身につけられ始めました。
その頃の男性は懐中時計が主流でしたが、軍隊など行動に迅速性を求められる場面において、時間を確認するために時計をいちいちポケットから取り出す手間などが厭われ、腕時計の開発が急がれました。
1879年にはドイツ皇帝ヴィルヘルム1世がドイツ海軍用に腕時計を2000個作らせたという記録もあるようです。
最初の腕時計は懐中時計を小型にし、竜頭の位置を横に変えて革ベルトに固定したものでした。
20世紀初頭に至るまで腕時計は一部のメーカーが生産する程度で、主流は相変わらず懐中時計でした。
そして紳士用腕時計として初めて大きな成功を収めたのが、フランスの宝飾店カルティエ社が1904年に開発した「サントス」でした。
この時計はブラジルのコーヒーメーカー富豪の息子、航空界の先駆者でもあったアルベルト・サントス・デュモンがパーティーでたまたま出会ったルイ・カルティエに、飛行中でも見やすい時計の製作を依頼し実現したものでした。
円形の懐中時計が主流の時代にあって、斬新な角型であり洗練されたデザインのこの腕時計は、パリの社交界で話題となり一般向けにも市販されることとなりました。
「サントス」は幅広いバリエーションを展開しながらも、現在でもカルティエの代表商品として市販されているものとなっています。
その後の第一次世界大戦は腕時計の普及をより促すこととなり、懐中時計が主流だった携帯時計は腕時計へと変わっていきました。
腕時計の動作システムは機械式腕時計ですが、竜頭を巻きゼンマイを巻くことで「テンプ」が回転し秒針が進む仕組みのゼンマイ式と自動巻き腕時計があります。
自動巻きの場合は時計内部のローターが回転しゼンマイを巻き上げます。
通常腕に装着後8時間ほどで完全に巻き上がります。
この自動巻きのシステムは1770年には開発されていたようですが、ポケットに入れた状態では有効に働かず、慣性が働きやすい腕時計においてはじめて効果を発揮することとなったようです。

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